NIPPON CONNECTIONからJAPANNUALへ

  2023年の6/6~11に開催されたフランクフルトのニッポン・コネクション映画祭に行く前の上映のお知らせから、バタバタしていて大分間を開けての更新となり、申し訳ありません。6月の記憶を呼び覚まして、渡独前の準備から記憶に残ったことを書いてみます。

 上映が決まってから渡独まで、日程やどういう滞在(自分でホテルを探すのか、上映はいつで何泊しなければならないのか、航空券はどういう日程で予約すればいいのか)なのか詳細がなかなか分からなくて、フランクフルトには東横インがあり、そこのハートフルルームは日本と同じ設備だそうなので、安心感があるからそこに泊めさせて欲しいとリクエストをメールしましたが「私たちが指定したホテルのバリアフリールームに泊まってもらいます」とのことで「みんな監督たちは同じホテル貸し切って泊まっているのかな」と思い、フランクフルトに着きましたが、他のスタッフや監督の方々もバラバラのホテルらしく、トイレもシャワーもとてもシンプルで、一人で浴室で落ちたりしたらどうしようかと不安に感じました。無理を言ってでも東横インに泊まると言い張れば良かったのですが、強く言わなくて後悔しました。

 翌日、アテンドの母子の案内で事務所に行きましたが、その時初めて冊子にまとめられた日程表やスタッフの写真などのセットを初めて渡され、「情報は決まった時点でどんどんPDFにしてメールで添付して送ってくれた方が、予定に合わせた準備が出来るのに」と、少し気になりました。自分の上映日もHPで確認して来たくらいで、食事もどうなるか分からないし、その上ひどい円安で、いくらユーロにしてくるべきか悩んだので。諸々の悪い予感が的中し、数日で体調不良になり、『Maelstrom』上映前日に入院することになりました。翌日、冒頭の舞台挨拶は間に合わず、終映直後に駆け込み、何とか舞台挨拶を済ませることが出来ました。そこで観てくれた方が後でインスタに感想を送って下さったり、熱心に観て下さったこと、いっぱいのお客さん前でインタビューして頂いたことなど、本当にありがたい機会を頂きました。

 1日入院することになってしまったことは、私がNYでの事故以降、脚が不自由なことは映画を観た一部の映画祭のスタッフは分かっていたはずなのに、アテンドのボランティア・スタッフ任せで運営側に私のような監督に対応する担当者がいないみたいで、結果的にトラブル回避出来ず、悪い印象を持ってしまう結果になったのは残念です。でも、自分はこんなに一人で解決させる伸びしろの能力があったと気づく、いい経験になりました。ローズマリー・トロッケルの展示してある現代美術館にアテンドしてくれたり、映画博物館にアテンドしてくれたボランティア・スタッフの皆さんのご親切は本当にありがたかったです。想像以上に暑かったこと、一般的に冷房がないこと、ホテルの個室に冷蔵庫がないこと、駅のエレベーターの汚れ、ペットボトルの回収や自転車専用道路に入らないことに細心の注意を払っていることなどが印象に残りました。

 いいこともありました。舞台挨拶を済ませ、監督のポートレイト撮影に向かう直前に声をかけてくれたのが、ウィーンの日本映画祭JAPANNUALのプログラマーのゲオルクさんと近藤さんでした。上映して頂けたから繋がれたこと、本当に感謝しています。次からは、ウィーンのJAPANNUAL映画祭について書こうと思います。