文化映画第5位選出と映画に出てくれたHさんの言葉
なぜ、急にブログの更新作業を始めたのか、は、このことを書きたかったからでした。1月中に12月にやった展示や上映について書いておけば良かったのですが、上映と展示が終わって以降は抜け殻になってしまい、投稿遅れのそれらを書いてからだと大分先になってしまうため、先にこの報告を書きます。
2024年2月5日(月)に、注文していたキネマ旬報2月号増刊ベスト・テンが届きました。事前に結果を聞いてはいましたが、実際にこの目で見ると、嬉しくて何とも言えない気持ちになりました。「5位くらいで喜んでるのか?」と思う人もいるでしょうが、私の映画より上位の4作品は、ベテランがチームで作られ、配給されている作品だと思います。私の映画のように、脚が不自由になった女性がほぼ一人で作った初長編映画が、そのような作品に続いての5位というのは、かなり新しいことなのではないか、と思いました。10位まで、写真も大きめに掲載して頂き、やり遂げた感があり嬉しいです。
映画に登場する、現在オーストラリア在住のHさんにこのことを報告すると、とても喜んでくれました。彼はオーストラリア人の奥さんとの間に可愛いお子さんを授かり、音楽活動も続けているそうで、新しい生活を着々と築いていっています。Hさん(@mediamediamedia) がInstagramに記載してくれていた文章が、『Maelstromマエルストロム』制作中の私とHさんの様子を上手にまとめていらしたので、転載させて頂くことにしました。
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【映画監督 山岡瑞子さんがずっと作り続けていた作品[Maelstromマエルストロム]がキネマ旬報の2023年ベストテンの文化映画部門で、なんと5位になりました。わたしは山岡さん宅のインテリアの設えや、車椅子での生活に合わせて部屋のレイアウトを少しづつ変えたりするお手伝いを、日本を発つまでかれこれ7年近くやってました。なので、5年半に及ぶ本作の製作過程は横目でチラチラと見てきたわけです。家のこと以外でも色んなところに出かけるのについて行き、ときにはカメラを渡されて撮影したり、インタビュー(カットになったけど)したり、あるいは自分が撮られたりしていました。山岡さんは行動派だけど、反面とても心配性で慎重に物事を進めるので、この作品に関しても例に漏れず本当に色々と悩みながら制作を進めていました。わたしはというと、早く完成させろとか、まぁ好き勝手生意気なことを横でヤァヤァ言いまくっていたわけですが、作品については完成するまで一瞬たりとも絶対に見ないと決めていました。初めての上映会のときに完成版を見て、ゆっくりとしたテンポの編集とそこに張り詰めたひとすじの緊張感に胸がえぐられ、いつも悩み、自問自答しながら自分の人生を反芻していた山岡さんの姿が脳裏に浮かび、5年半というのは山岡さんにとって必要な時間だったのだと納得したわけです。完成させたあとは、「はよ次作ったら?」とか、また好き勝手なことを言ってるわたしですが、じっくり作ったぶん、じっくりと色んなところで広まってくれたらいいなと願っております。
ちなみに、作中でけっこう長い尺で生意気そうに講釈垂れているわたしの姿を拝みたいなんていう、もの好きな方はぜひ劇場へ。
ともかくおめでとうございます、山岡さん。】
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映画をすでにご覧になって下さった方はお分かりだと思いますが、区の制度を利用して階段のある場所の介助や(もう、そんな力仕事を頼める人がいなくて、現在大変困っております💦)や、家具の組み立てや配置、色んなことをどうにかしてくれました。「脚が動かなくなった上で、自分が住み心地が良いと思うにはどうすればいいか」とかなり悩んでいた時期で、その相談役みたいな役割を快く引き受けてくれたのが、Hさんでした。Hさんがオーストラリアに移住する前、最後に会ったのはいつだろう?と写真を探すと、2022年11月29日に、それまで使っていた洋服ラックが荷重に耐えられなくなって、新しい大容量の可動式の洋服ラックを組み立ててもらったのが最後の日でした。彼が日本を発ってから東京ドキュメンタリー映画祭、NIPPON CONNECTIONやJAPANNUALなどの国内外の映画祭での上映、展示など色々なことがあって、時間の感覚が変ですが、もう1年以上経っていたのですね。Hさんみたいな人の存在が、どれだけ私を救ってくれたか。普通、なかなか出来ないことを、本当によくやってくれました。彼のような友人の助けがあったことをお伝えすることに意味があるように思い、ここに記載させて頂きました。
※『Maelstromマエルストロム』2024年5月10日より、アップリンク吉祥寺にて上映予定。
※ 写真等の無断転載はお控え下さい。
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